先日、とある銀行の受付での出来事。
７０～８０歳くらいのおじいちゃんと、
銀行員さんのやりとりが耳に入ってきた。

老人は、大金を引き出したいらしく、
行員はそれを持ち帰ることを心配したのか、
何に使うか、家族はこのことを知っているか、
車で来たのか、家はどこか、など質問していた。

単に預金の引き出しを阻止したいだけにも聞こえたが、
言葉も歩行もたどたどしい老人がダレかに操られてはいまいかと、
素直に心配になったのだろう。

どうやら老人の子どもは県外にいて、
自宅には寝たきりの妻がいるだけで、
大金を引き出すはっきりした理由は言わない。
実はこの時、
『うるさい銀行め！ ワシの金、さっさと出さんか！』
って老人は思ってたんじゃないか、とも感じられた。根拠はないが。

私の方が先に用件が済んだので、
最後まで聞き届けることはできなかったけど、
銀行さんも弱者の保護はいいけれど、
もう少し周りの耳を気にしてやり取りをした方がこの老人のため治安のためだと思う。

弱者の保護？？

普通このような老人を弱者と思う。

でも何を基準に弱者というのかは、見方によって大きく異なる。



ネット上で見つけてお借りした画像、
動く電車の中で立っていることだけを思えば誰がしんどくて誰が席を譲るべきか、
幼い子どもでもわかるけど、
誰が弱者かと問われると、見れば見るほどわからなくなる。


幸せの基準は人それぞれだけど、弱者の基準も見る角度によって変わるし、

思いやりは必要だけど、
思いやったのに断られればそれは単に弱者を見誤ったことになるだろうし、

弱者になれば保護してもらえるなら弱者になった者勝ちと言わんばかりに、
弱者になったふりをする人がいるから、
本当に保護されるべき人が保護されにくい事態になっていることを思うと、
『私は弱者です』と手を挙げた人は弱者じゃないのかもしれないし、

って銀行の老人、実は大金と思ってるのは周囲ばかりで、
老人にとってははした金なのかもしれないし。


でも、あのおじいちゃん、
襲われてないかしら？
騙されてないかしら？
操られてないかしら？

きっと心配無用、老人より私の方が弱者かもしれない。